オスプレイ飛行再開への強い疑問

航空事故調査は通常数ヶ月から数年を経て結論が出されるものである。結論が出るまでの間、推定事故原因に対して何らかの対策が施されるまでまでの間は飛行を中止するか、飛行を制限しなくてはならない。それが事故の再発を防止するための最低条件である。

2016年12月に沖縄の普天間で発生したオスプレイの墜落事故は、事故後わずか6日で飛行を再開し、その後間もなく事故原因と推定されている空中給油が再開された。まさに日本政府と米軍による愚行と言う以外にない。日本政府はオスプレイの墜落を不時着と発表したが、機体の損傷から見ても、コントロールされた状態で不時着したとは到底思えない。アメリカ側もCrash(墜落)と発表しているにも関わらず不時着と報じるに日本政府もマスコミに呆れる。

オスプレイは離着陸時は回転翼機(ヘリコプター)、水平飛行時は固定翼機(飛行機)として飛行する特殊な航空機である。離着陸時から水平飛行に移る際に、ローター(プロペラ)と主翼を垂直から水平に動かす複雑な機構を持っている。

それが故に離陸から水平飛行に移る際、または水平飛行から着陸に移る際の遷移状態において、通常の航空機にはない不安定な状態に陥る。そうした複雑な飛行システムと大きな機体重量が原因と思われる事故が多発し、過去に極めて高い事故率を記録している。熊本の地震の際には、日本政府がパフォーマンスで米軍にオスプレイによる物資輸送を依頼した。しかしオスプレイは元々搭載能力が低く、ネパール地震の際には民家の屋根を吹き飛ばすなど、災害救助には不向きな機体なのである。

今回の空中給油における事故では、水平飛行時に2つの大きなローターの間に給油ホースを近づけるため、ローターがホースに接触すると言うまさに起こるべくして起きた事故と言える。空中給油はパイロットの経験で手動で行われるため抜本的な対策をしなければ再発する確率は極めて高い。

米陸軍も敬遠したオスプレイを日本政府が高額で購入、自衛隊での使用が予定されている。ほぼ欠陥機とも言えるこんな危ない機体が日本のあちこちで飛び始めたらたまったものではない。

 

悲劇と生還 航空事故から見る世界

人間は乗り物を発明したと同時に、事故をも発明しました。死のリスクを背負い到達しようとしている境地は何なのか。生命現象と意識の謎を追求する中で、過去の航空機事故から人間と世界の矛盾を俯瞰し、安全への追求で見えてくる未来を考察してゆきたいと思います。

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