ベテランパイロットが起こす事故とは

ベテランパイロットが大事故を起こすケースは多々指摘されている。1977年に発生した、当時としては最大の犠牲者を出したスペイン領カナリア諸島のテネリフェ空港におけるボーイング747同士の衝突事故においては、オランダ航空は操縦していた機長を事故対策のために派遣せよ、すなわちまさかベテランの当人が操縦していたとは想像もしていなかったと思われるコメントを事故当初に寄せている。

1966年3月4日に発生したカナダ太平洋航空機事故においては、機長の操縦時間が約29000時間、副操縦士が約19000時間というとてつもないベテランコンビだった。

このほかにもベテランが起こした大事故は少なくない。ベテランだからこそ気の緩みがあったという指摘もあるが、必ずしも私はそうは考えない。ベテランでも陥るミスが内在された環境で、たまたまベテランが操縦する航空機がその要因にのまれてしまったのではないだろうか。

もちろんそれは許されることではないが、ベテランが起こした事故の発生要因を分析することも、これからの事故対策で大切なポイントと言えるだろう。

悲劇と生還 航空事故から見る世界

人間は乗り物を発明したと同時に、事故をも発明しました。死のリスクを背負い到達しようとしている境地は何なのか。生命現象と意識の謎を追求する中で、過去の航空機事故から人間と世界の矛盾を俯瞰し、安全への追求で見えてくる未来を考察してゆきたいと思います。

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